子供の踵の痛み
小学生男児
〇主訴
アキレス腱周囲の痛み
サッカーで走った後に足を引きずって歩くほど痛みが出る
〇検査
可動域→足関節は著明な左右差なし
筋力→長母趾屈筋の筋力低下
片脚立位→右20秒 左5秒
ヒールレイズ(踵挙げ)→足部が内返しになってしまう
〇施術
初回は柔道整復師による消炎治療、2~4回目は理学療法士による運動療法を行いました
初回
問診・検査を行った後、炎症を起こしていたアキレス腱周囲に超音波治療器を当て、炎症を鎮めました
経過・2回目(1週間後)
サッカー後の痛みは残っているものの、足を引きずる程の痛みは消失
歩行・サッカーの動きを確認後、足趾の運動療法を実施
経過・3回目(2週間後)
サッカー後の痛みも消失
足趾・下肢の運動療法とダッシュの動作確認を実施
経過・4回目(1か月後)
疼痛なく運動可能
筋力・動作確認し、再発予防の運動を指導し終了
子供特有の踵の痛み
<骨端症>
骨端症とは、主として成長期に生じる、骨突起に発生する障害のことです。
今回はその中でもSever(シーバー)病について解説します。
<Sever病>
踵骨隆起の骨端症のこと。
踵骨の骨端核は、男子で7~8歳頃、女子で5~7歳頃に出現し、15~17歳頃に踵骨体部と癒合します。
本症は学童期のスポーツ選手に多く、10歳前後の男子に好発します。
アキレス腱と足底筋膜の双方の牽引力により、骨端線閉鎖前の骨端部に微小外傷が発生する事が原因とされています。
運動時に踵部痛を訴え、同部位に圧痛を認めます。疼痛が強ければ、踵部での荷重が困難となるため跛行を呈することもあります。
疼痛が強い場合は、整形外科でレントゲンやMRIでの画像検査を受けることが好ましいです。
発症した場合は、疼痛が落ち着くまで運動を制限し、アキレス腱・足底筋膜のストレッチを行います。
アキレス腱の緊張を軽減する目的でインソールを挿入する場合もあります。
基本的には予後は良好のため、保存療法のみで手術療法は行われません。数週間~数か月の保存療法でスポーツ復帰可能な場合が多いです。