脳腫瘍による右半身麻痺
58歳女性が左大脳半球の脳腫瘍による右半身麻痺を訴えて来院。
これは1年前からあり、グレード3のグリオーマである。治療としては手術で取り除く事ができないため、放射線治療と新薬のデモダールの服用を行っている。その他、リハビリ等は全く受けていないという。
神経学的検査を行った結果、腱反射、瞳孔反射、眼球運動など全て左大脳の機能低下が示唆される結果となり、顔面神経、聴神経などの脳神経系の機能低下もありました。
そして、筋力については、特に下肢の筋力がなく、持続的な筋収縮が行えませんでした。この為、左大脳を賦活させる刺激を加えるのと、下肢の筋のトーンを高める治療を行い、5回目で聴覚神経の改善が見られ、下肢が徐々に力が入る様になってきた事を実感してもらえました。
脳腫瘍
脳腫瘍と一言で言っても様々な種類があり、できる場所によって症状は異なってきます。カイロプラクティックでは、脳腫瘍がなくすということではなく、QOL(生活の質)をどこまで改善出来るかという点を最も重要視します。関節や筋肉のバランスをとるだけでも体が動かしやくなり、本人としては非常に楽になるわけです。脳神経治療の先進国アメリカでは病院の方で脳腫瘍の治療を行い、カイロプラクティックで筋肉や骨格の後遺症に対してアプローチを行う事は一般的に行われています。日本では半身麻痺患者は運動療法による過酷なリハビリを行わないと改善しないことが常識になってしまっていますが、カイロプラクティックを取り入れることによってもっと楽に効果的に改善が見込めるということをもっと困っている方々に知って頂ければと思います。