腕に痛みや痺れが出てくる場合のほとんどが腕に問題があるわけではなく、それよりも体幹に近い部分で何らかの問題を起こしてしまい、症状が出ることが多いです。

胸郭出口症候群（TOS）

鎖骨周辺の首から腕へ走行する神経（腕神経叢）や血管（鎖骨下動・静脈）が、筋肉の過緊張などで通り道が狭まり圧迫されることによりおこる手指や腕のしびれ、痛み力の入りづらさ等の総称です。圧迫される部位によって斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群と分けられます。首を斜め後ろに倒したときや、腕を挙げた状態で後ろへ引く動作をするときに強くなります。

カイロプラクティックでは、まずどの部位に問題があり症状が起こっているのかを鑑別するため整形外科テストをおこなう。そして、圧迫している狭くなった通り道の筋肉（主に斜角筋や小胸筋）の緊張の緩和をするとともに、動きの制限された関節（主に鎖骨や上位肋骨、頚椎胸椎の関節）に対して施術していく。また、必要な場合は短くなっている筋肉に対してはストレッチを処方していく。

頚椎症

頚椎とは、首の背骨のことで7つあります。これらは頭を支えるとともに、脳へいく血管(椎骨動脈)が頚椎の骨の輪を走行し、脊髄神経が背骨の中を通っています。そして、頚椎と頚椎の間（椎間孔）から頭や首肩腕手へと神経がでています。神経が圧迫される部位により頚部の痛みや動かしづらさ、腕へのしびれ、力が入りづらい等の症状がみられます。不良姿勢やスポーツ、力仕事など首への負担の積み重ねにより起こりやすく、中年期の方が多くみられます。

カイロプラクティックでは、しびれの出ている部分や力の入りづらい筋肉の確認などどの頚椎の間から出ている神経が影響を受けているのかを特定するため神経学検査・整形外科検査をおこなう。そして、神経を圧迫する頚椎の関節の間を開くように関節、筋肉にたいして施術する。また、その上下の部分の関節に対してもアプローチして負担を減らすようにする。これとともに姿勢の改善等を指導していく。