BSB7回 カイロプラクターが煎じて飲みたい三村仁司さんの話
最近興味深い話を聞いた
厚生労働省が認定する「現代の名工」にも選ばれた三村仁司さんの話だ。
三村仁司さんはマラソンシューズを作る職人で、
ランニングフォームを見ただけで靴が足に合っているかどうかわかってしまうという
とんでもない慧眼の持ち主で、高橋尚子がシドニー五輪で金メダルを獲得した際の陰の立役者だったそうだ。
三村さんによれば高橋尚子の足は右に比べて左の方が8ミリ長く、
左右同じ大きさのシューズを履いて走ると、左足が突っ張ったような走りになっていた。
三村さんとしてはバランスを矯正するため、右足のシューズを左足よりも1ミリ厚くしたかったが、
「右足も左足も同じ厚さのシューズ」というのが高橋尚子本人の希望だった。
しかし、右足のシューズを1ミリ厚くしなかった場合、彼女が足のトラブルに見舞われる姿が三村さんには見えていた。
そこで内緒に事を運ぶことにした。
高橋にも小出義雄監督にも(当時、勤めていた)アシックスの社長にも一切言わないで独断でシューズを調整した。
そのかわり勝たなかったら全ての責任をとる。三村さんは辞表を懐に忍ばせて、レースに臨んだ。
結果は女子初の金メダル。
シューズの秘密を明かされた高橋はキョトンとした面持ちで「そうだったんですか、マメひとつできませんでしたよ」
と感謝の言葉を口にしたという。
こんないいおせっかい他にあるだろうか。
それにしても三村さんは職人の鑑である。
僕の仕事はカイロプラクティック、患者さんが決して見えない背骨を正す事を委ねられた仕事だ。
本人の知らないところで、本人の望む以上の仕事をする三村さんの話はそのままカイロプラクティックの真髄ともいえる。
自分のやりたかった事はこれだったんだと再確認できた^_^
もし一つだけ三村さんにお願いできるとしたら
是非カープの選手のバットを調節してほしい。
飛ぶボールに変わったのにカープの選手のホームラン数が逆に減っている謎の現象は
全選手が自分に合わないバットを使っているとしか考えられない。
そうなると堂林と栗原にいたってはもはやバットの調整では済まなさそうだ。
菊地